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アルミの呼称と性質

このページでは、アルミの呼称と性質について、分かりやすくご説明しています。
アルミを知り、そのうえで貴社に最適なアルミ製品、アルミ材料を、当社の多彩な在庫の中からお選びください。

展伸材の呼称

JISでは個々のアルミ合金に次の例に示すような呼称をつけています。
  • A-5052P-H34(非熱処理型合金の例)
  • A-6063-TE-T5(熱処理型合金の例)

最初のAはアルミニウム合金を示し、続く4桁の数字は国際登録アルミニウム合金名にならって表示されます。第1位の数字は合金系を、第3、4位の数字は個々の合金の識別を示していますが、合金系表示の第1位が1の場合、すなわち純アルミニウム系材料では純度を示します。

第2位の数字は0が基本合金を示し、1以降の数字については、基本合金の改良または派生合金であることを示しています。ただし、わが国で開発され、国際アルミニウム合金に相当する合金を見出せない場合は、第2位目の数字に代えてNを記しています。

第4位の数字に続いて1〜3個のローマ字が付されていますが、これは材料の形状および製造条件を示す記号、あるいは寸法許容度を示す等級記号となっています。

「−」に続くHまたはTを冠した数字は、材料の加工硬化状態、または熱処理状態などの調質を示す識別記号で、ほかにF、Oなどの文字が使用されています。展伸材の形状および製造条件を示す呼称の記号とその意味を下記の表1に示しています。

表1 製品形状及び製造条件を示す主なJIS記号

記号 意味 記号 意味
P 板、条、円板 TW 溶接管
PC 合わせ板 TWA アーク溶接管
H S 押出形材
BE 押出棒 FD 型打鍛造品
BD 引抜棒 FH 自由鍛造品
W 引抜線 PB 圧延板導体
TE 押出継目無管 SB 押出板導体
TD 引抜継目無管 TB 管導体

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アルミニウムの一般的性質

アルミニウム合金の主な性質は添加元素の種類、量によって影響されます。材料の選択にあたっては、使用目的に応じて最適な性質をもつ合金を選ぶ必要があります。

展伸材

代表的なアルミニウムについて、合金展伸材の一般的性質を下記でご説明しています。

1.1000系アルミニウム
1000番台の表示は工業用純アルミニウムを示し、1100、1200が代表的で、いずれも純度99.0%以上の純アルミニウム系材料です。1100は陽極酸化処理(アルマイト)後光沢を良好にするCuが微量添加されています。1050、1070、1085はそれぞれ純度99.50、99.70、99.85%以上の純アルミニウム材料であることを示します。
1060、1070は送配電用材料、放熱材として多く用いられています。
2.2000系合金
ジュラルミン、超ジュラルミンの名称で知られる2017、2024が代表的なもので、鋼材に匹敵する強度をもっています。しかし比較的多くの銅を含むため耐食性に劣り、腐食環境にさらされる場合には十分な防食処理を必要とします。
溶融溶接性は他のアルミニウム合金に比して劣るため結合は主にリベット、ボルト接合、抵抗スポット溶接が行われます。切削性は良好で、特にPb、Biを添加した2011は優れた快削性合金として機械部品に多く用いられています。
3.3000系合金
3003はこの3000系の代表的金属で、Mnの添加により純アルミニウムの加工性、耐食性を低下させることなく、強度を少し増加させたもの。器物、建材、容器などに用いられます。
3003に相当する合金にMgを1%程度添加した3004、3104は、さらに強度を増加させることができるため、カラーアルミ、アルミ缶ボディ、屋根板、ドアパネルなどの材料として需要が高くなっています。
4.4000系合金
4032はSiの添加により熱膨張率を抑え、対磨耗性の改善を行ったもので、さらにCu、Ni、Mgなどの微量添加により耐熱性を向上させ、鍛造ピストン材料として用いられます。
4043は溶融温度が低く、溶接ワイヤー、ブレージングろう材として使用されます。また、この合金はSi粒子の分散により陽極酸化処理皮膜が灰色を呈するため、ビル建築の外装パネルにも使用されています。
5.5000系合金
Mg添加量の比較的少ないものは装飾用材や器物用材に、多いものは構造材として使用されます。したがって合金の種類が多数あります。
中程度のMgを含有するものとしては、5052が中程度の強度を持つ材料として最も一般的です。5083はMg含有量の多い合金で非熱処理合金としては最も優れた強度をもち、溶接性も良好。このため、溶接構造材として船舶、車輌、科学プラントなどに使用されています。
5000系の合金は冷間加工のままでは強さがやや低下し、伸びが増加するという経年変化を示すので、安定化処理が行われます。海水や工業地帯の汚染雰囲気に強く、外観を問題としない場合は、防食処理を施す必要は比較的少なくなっています。
6.6000系合金
6000系の合金は強度、耐食性とも良好で、代表的な構造用材として挙げられます。ただし溶接のままでは継手効率が低く、ビス、リベット、ボルト接合による構造組立が行われることが多いのが特徴です。
6061-T6は耐力245N/mm2以上でSS400鋼に相当し、設計上、たわみを問題にしない場合は、同等の許容応力が得られるという利点があるため、鉄塔やクレーンなどに用いられます。6063は優れた押出性を備え、建築用サッシを中心に、6061ほど強度を必要としない構造材として使用されています。
6N01は6063と6061の中間の強度を有する合金で、1982年にJISに登録されたアルミ材料です。
7.7000系合金
7000系合金はアルミニウム合金の中で最も高い強度をもつAI―Zn―Mg―Cu系合金と、Cuを含まない溶接構造用Al―Zn―Mg合金に分類できます。後者はわが国ではいわゆる三元合金として親しまれています。
AI―Zn―Mg―Cu系合金の代表的なものは7075で、航空機、スポーツ用品類に使用されています。Al―Zn―Mg合金は比較的高い強さをもち、溶接後の熱影響部も自然時効により母材に近い強さに回復するため、優れた継手効率が得られます。7N01がその代表的合金で、溶接構造用材料として鉄道車輌などに用いられています。
なお、7000系の合金は熱処理が適切でない場合には応力腐食割れを生じることがあります。このためJISに示された標準熱処理条件よりは過時効となる条件で焼き戻しが行われることもあります。
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